私たちが富結(とみゆい)TOMIYUIを始めたのは、作り手が生む富(とみ)を、作り手自身にきちんと結び直したいと考えたからです。技術を継ぐことと、経営を継ぐことは、本来別の才能です。その両方を一人に背負わせる仕組みには、無理があります。
1. 窯を継ぐ、という現実
工房を継ぐと決めた日から、土や炎と向き合う時間そのものは変わらなくても、その前後にある仕事が急に増えたという声をよく聞きます。値付け、在庫管理、海外からの問い合わせへの返信、発送の手配。技術の継承だけでも十分に重いのに、経営の全工程まで一人で担うことになります。
工芸に携わる担い手の数は、長期的に減少が続いています。伝統産業の現場が人材育成と海外展開の両方を同時に迫られている実情は、国や産地の発信でも繰り返し取り上げられており、後継者不足は一部の産地・一部の工芸に限った話ではありません。技術は引き継がれても、それを「届ける力」まで引き継げる工房は多くありません。
だからこそ、継いだ人が孤立しないことが重要だと考えています。
2. 富結 TOMIYUIの立場
富結 TOMIYUIは、担い手が「作ること」に専念できるよう、届ける部分を仕組みとして引き受けます。
- 70%(担い手への還元):完全成功報酬です。前もっていただく費用はありません。作品が売れたそのときに、売上の七割をお戻しします。売れないかぎり一円もいただきません。
- 運営15%:実務の原資です。①撮影 ②物語の執筆と翻訳(日英)③EC運営 ④国際物流の4つに充てます。
- 共栄基金15%:一部の担い手のためではなく、加盟する担い手全体のために使います。使途は「一 販売の支え(出店・イベントなど作品が人と出会う場)」「二 後継者の育成(学ぶ時間・道具材料・発表の場)」「三 担い手様の協業(異分野の共同企画・開発)」「四 そのほか(営みを守るための柔軟運用)」の四つに限定しています。
窯を継ぐ重さそのものをなくすことはできません。ただ、その重さのうち「届ける」部分は、一人で背負わなくていいものにできると考えています。
3. 一人で抱えなくていい先に
技術を磨く時間が、経営の事務に奪われない。海外からの注文が増えても、窯を焚くリズムを崩さずにいられる。継いだ人が「継いでよかった」と思える状態を、遠い理想ではなく、日々の仕組みとして届けたいと考えています。
収益や集客を確約するものではありません。ですが、届け先をつくる部分を分かち合うことで、作ることに使える時間を取り戻した担い手の方はいらっしゃいます。
4. よくある質問(FAQ)
Q. 陶磁以外の工芸でも対象になりますか。
A. はい。染織・漆器・木工・金工・紙・竹細工など、日本の伝統工芸全般を対象にしています。
Q. 加盟に初期費用はかかりますか。
A. いいえ。完全成功報酬制のため、加盟時・出品時にいただく費用はありません。作品が売れた際に売上の七割をお戻しします。
Q. 後継者がまだ決まっていなくても相談できますか。
A. はい。技術の継承がこれからの段階でも、届け先づくりの相談は可能です。
Q. 海外発送や英語対応は自分で行う必要がありますか。
A. いいえ。海外発送・物語の翻訳(日英)は運営15%の原資で当社が担います。
Q. 収益は保証されますか。
A. いいえ。完全成功報酬のため、売れなければお支払いは発生しません。収益や集客を確約するものではなく、届け先をつくる仕組みを分かち合うものです。
